中国人口、減少地域も=出生率1・3、予測下回る
2021年05月12日
中国国家統計局は11日、2020年に実施した国勢調査の結果、東北部など一部地域で10年前の調査と比べて人口が減少したと発表した。総人口の伸びは鈍化。1人の女性が産む子供の推定人数「合計特殊出生率」は1・3と低水準で、予測を下回った。労働人口減少への対策や社会保障の充実といった課題が習近平指導部にのしかかっている。チャイナ・ウオッチが北京発共同通信電として伝えた。
総人口の年平均増加率は、前回の国勢調査の0・57%から0・53%となった。東北部や内モンゴル自治区などは前回から人口が減少した。労働の担い手となる15~59歳は10年前の約9億4千万人から約8億9千万人に減った。
統計局の寧吉哲局長は記者会見で、低出生率や高齢化加速を踏まえ、60代の社会での活躍や、出産や育児支援が重要だとの認識を示した。
20年の出生数は1200万人で、19年比で18%減少した。国務院(政府)が16年に策定した「国家人口発展計画」は20年の合計特殊出生率を1・8と設定。中国メディア、財新ネットは予測に達しておらず、「将来も低下を続けるだろう」と伝えた。
過去の国勢調査は数字の水増し疑惑が取り沙汰されたこともある。中国国家統計局の発表では、20年の人口は約14億1178万人だったが、人口問題の専門家、易富賢氏は11日、中国の統計は実態を反映しておらず、20年の実際の総人口は12億8千万人以下との独自の推計を公表した。